薄毛にパーマは逆効果?薄毛が気になる人のための髪型セット方法

薄毛にパーマは逆効果?薄毛が気になる人のための髪型セット方法

女性の薄毛にはブローで対処

女性の薄毛と男性の薄毛とでは、かなり症状が異なります。部分的に薄毛が目立ってくる男性に対して、頭部全体のボリュームが徐々になくなっていくのが女性の薄毛の特徴です。これは、髪の毛が全体的に細くなっていくために起きる現象です。髪の毛のハリやコシもなくなってくるため、以前より地肌が目立つようになります。
また、髪の毛の分け目やつむじなども気になってきます。結果として、ボリュームが減少したように感じるのです。つまり、女性の薄毛の初期の段階では、髪の毛の本数はあまり減っていないことに注目しましょう。

この段階の薄毛は、ブローの仕方を工夫するだけで十分に対処することができます。「ブローしても髪の毛がふんわりとしてこない」という悩みを抱えている女性も少なくありませんが、それは今までと同じブローの仕方だからです。髪の毛が細くなってきているため、それに合わせたブローが必要ということです。

ブローのポイントは、髪の毛の「根元」にあります。ブロー前に髪の毛を濡らすのであれば、髪の毛の表面だけでなく根元からしっかり濡らすことが大切です。そして、髪の毛を根元から立ち上げる感覚でブローしていきます。髪の毛が太く元気であれば、放っておいても髪の根元は立ってきます。
しかし、一旦髪の毛が細くなってしまった場合は、意識的に髪の根元を立たせていくことが不可欠になるのです。このことを意識しながら、ドライヤーを髪の流れと逆方向にかけていきます。つまり、髪の下から上に吹き上げるようにブローを行うのがポイントです。

なお、根元を立たせてボリュームをつけるのは髪の生え際から頭頂部の少し後ろまでです。側頭部についてはこの限りではありません。むしろ、あまりボリュームを与えない方が良いくらいです。せっかく髪の毛のトップにボリュームをつけても、サイドが広がると視覚的な効果が薄れてしまうからです。

 

女性の薄毛にパーマは?

薄毛対策として、パーマをかける女性は少なくありません。たしかに、パーマをかけると簡単に髪の毛にボリューム感を与えることができます。しかし、パーマは頭皮や毛根に対してかなり負担をかけることを忘れてはいけません。特に加齢による薄毛の場合は、薄毛の進行を加速させてしまう恐れがあります。
なぜなら、加齢による薄毛は回復することがあまりないからです。薄毛対策を考えるのであれば、女性の薄毛のメカニズムについてもきちんと把握しておくことが大切です。

女性が薄毛になるのは、女性ホルモンの分泌量が減少することが原因です。女性ホルモンには「プロゲステロン」という黄体ホルモンと「エストロゲン」という卵胞ホルモンがあります。この2種類の女性ホルモンにはそれぞれ役割があることが知られています。
「母のホルモン」といわれるプロゲステロンは、妊娠などの働きに作用するホルモンです。プロゲステロンには皮脂の分泌を活発にする作用があるため、過剰に分泌すると毛根にダメージを与える可能性があります。逆に、プロゲステロンの減少は頭皮の過剰な乾燥につながります。加齢の場合は乾燥によって頭皮が傷つきやすくなることを警戒する必要があります。パーマ液などを使用することは極めて危険です。

一方、エストロゲンは「美のホルモン」と呼ばれており、肌のツヤや女性らしい体つきを作ることに貢献するホルモンです。髪の毛の成長を促進するホルモンであるため、エストロゲンの分泌量が髪の毛の状態と強く関係しています。エストロゲンの分泌が減少すると、髪の毛も十分に育たなくなり、「髪の毛が細くなる」という女性の薄毛特有の現象を引き起こすことになります。また、エストロゲンが減少すると頭皮の血流も悪くなってしまいます。毛根に十分な血液が送れなくなってしまい、毛根そのものも弱っていきます。こういった状態でパーマ液などで強い刺激が与えられると、毛根は壊滅的なダメージを負ってしまう恐れがあります。

 

女性の薄毛に効果的な髪型は?

加齢による女性の薄毛に対策を考える場合、「薄毛を目立たせない」ことだけではなく、「薄毛を進行させない」ことにも注意を払う必要があります。女性ホルモンの分泌は、一定の年齢を超えると急激に減少していきます。もちろん個人差はありますが、40代の半ば頃から更年期と呼ばれるフェーズに入ることが一般的です。エストロゲンの減少も急激で、50歳を過ぎる頃には30代の約3分の1ほどまでになってしまいます。
毛根に負担をかけず、薄毛を目立たせない髪形として人気なのは「ベリーショート」です。なかなか思い切って試せないという人は、ショートにしてトップを立てる髪型がおすすめです。

若い女性で薄毛に悩んでいるという人の多くは、女性ホルモンの分泌の乱れが原因です。エストロゲンの分泌が減少しているという点では、加齢による薄毛と同じメカニズムです。しかし、女性ホルモンの分泌が正常に戻れば、薄毛の症状も改善することがほとんどです。
この場合、症状が回復するまでの間、いかに毛根に負担をかけない髪形にするかが重要です。もっとも負担が少ない髪型はショートヘアですが、ロングヘアの場合はアップスタイルで気になる部分をさりがなくカバーすることがおすすめです。ミディアムの場合も同様で、ウィッグを併用することも有効です。

ホルモンバランスが乱れる原因の多くは、ストレスです。ストレスを感知するのは、脳のなかにある「扁桃体」という部位ですが、女性ホルモンの分泌を指揮する「視床下部」と近い場所にあり、大きな影響力を持っています。ホルモンバランスを正常に戻すためには、できるだけ早く日常生活からストレスを追い出す必要があります。
また、ストレスによって生活サイクルも乱れ、悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。十分な睡眠時間を確保するためにも、手入れが楽な髪型にすることがおすすめです。思い切ってミディアムやショートにしてしまうのもひとつの方法です。
ロングヘアにこだわりがある場合は、無理に切る必要はありません。髪が短い状態に比べれば毛根に負担がかかりますが、ストレスを除去するためには気分良く毎日を過ごすことが最優先です。

 

薄毛のメンズは短髪が基本

男性の薄毛は、部分的に進行していくことが特徴です。そのため、他の部分の髪の毛で隠してしまおうとする人が少なくありませんが、かえって薄毛が目立ってしまうことがほとんどです。多少の薄毛であれば、メンズに似合うのはソフトモヒカンなどの短髪です。刈り上げのツーブロックなども薄毛が目立たなくなる髪形です。
どの髪型を選ぶにせよ、短髪は薄毛が目立たなくなるだけでなく、毛根への負担が少ないというメリットがあります。特に若い男性の場合は、毛根が痛んで一時的に薄毛になっているケースが少なくありません。薄毛を隠すだけでなく、髪の毛を育成することも考慮することが大切です。

若い男性に薄毛の症状が現れた場合、「ヘアサイクル(毛周期)」に異常がみられることが多くあります。ヘアサイクルとは、毛が生まれて成長し、生え変わる周期のことです。男性のヘアサイクルは女性に比べて短いため、頭皮や毛根に異常があるとすぐに症状が出やすいので注意が必要です。
女性のヘアサイクルは5年から6年ですが、男性は2年から5年程度です。この周期で髪の毛は抜け落ちていきますが、問題はその後です。ヘアサイクルに異常があると、新しい毛の成長にトラブルが発生し、薄毛の症状となって現れます。この場合、少しでも毛根への負担を減らすために最適な髪型は短髪なのです。

髪の毛が生まれた時点では、産毛のように短く細い状態です。その後一日あたり約0.3ミリのペースで伸びていき、太くしっかりとした髪の毛になっていきます。この段階は「成長期」と呼ばれ、数年続きます。その後「退行期」という段階に入り、毛根が退化していきます。最後に「休止期」になり、髪の毛は完全に抜け落ちることとなります。
ここから再び産毛が育つ段階に入りますが、ヘアサイクルに異常がある場合は、休止期のままサイクルが止まってしまいます。毛根にダメージを受けている可能性がある場合は、パーマやカラーリングなどは避けることが無難です。ソフトモヒカンや、ベリーショートなどの短髪にして、しばらく様子をみることが必要です。

 

本格的な薄毛なら坊主もあり

薄毛の症状が改善されない場合は、本格的に男性特有の薄毛を疑う必要があります。「なんとなく髪型が決まらない」という薄毛ではなく、明らかに部分的な薄毛が進行していると認められる場合です。特に注意したいのが「頭頂部」「額の生え際」「前頭部」の3ヶ所です。この部分に異常が発生した場合は「AGA」の可能性が高くなります。
AGAとは「男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)」のことで、20代という若さで発症することも珍しくありません。年齢とともに進行していく脱毛症で、自然に治ることはないため注意が必要です。この場合でもやはり短髪が基本となります。

AGAは男性ホルモンのひとつである「テストステロン」が原因となる脱毛症です。AGAになる人とならない人がいるのは、遺伝によるものだからです。AGAのメカニズムが解明される前は、生活習慣などさまざまな要因が取り沙汰されていましたが、現在では治療しない限り治らないものであることが判明しています。
テストステロンが「毛乳頭細胞」に取り込まれた後、皮脂腺で作られる「5α還元酵素2型」の「リダクターゼ」という物質と反応します。そうすると、テストステロンは「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変換されてしまいます。このジヒドロテストステロンが毛根に強力なダメージを与えて薄毛を招くこととなるのです。

この状態が進むと、ヘアサイクルが正常に回らなくなります。せっかく毛が生まれても、成長期の早い段階で髪の毛の成長が止まって抜け落ちてしまうのです。抜け毛は長い毛が抜けると目立ちますが、十分に育っていない短い毛が抜けていく方が状況は深刻です。
頭頂部や額の生え際などでこの状態が確認された場合は、完全な薄毛になってしまう可能性が高いと判断できます。さらに放置しておくとヘアサイクルは休止期で止まってしまい、そのまま毛球部も消失してしまう結果になります。この場合、すぐに専門のクリニックに相談する必要があります。AGAは早期の治療開始が大切だからです。

AGAで頭頂部の薄毛が気になる場合は、サイドとバックを短くすることが薄毛を目立たなくするコツです。そうすれば自然な雰囲気でトップにボリュームを与えることが可能になります。それでも薄毛が気になる場合は、思い切って坊主にするのもひとつの方法です。おしゃれ坊主であれば、薄毛が目立たなくなるだけでなく、毛根への負担も減らせるからです。

 

薄毛の原因に合わせた適切な髪型を

このように、薄毛の原因は性別や年齢によってさまざまです。薄毛の症状も人によってそれぞれ違います。大切なことは、薄毛の原因をしっかりと把握し、それに合った対策を施すということです。女性の場合、薄毛が目立つとパーマやカラーリングで隠そうとするケースが目立ちます。
しかし、あくまでその場しのぎであり、根本的な解決にはなっていません。むしろ、かえって毛根を痛め薄毛を進行させてしまうことも珍しくありません。ブローのやり方を工夫したり、思い切ってショートカットにするなど、薄毛を隠しつつも毛根を守るという意識が大切なのです。
髪形同様に、生活習慣に気をつけることも必要です。特にホルモンバランスの乱れは女性の薄毛の直接の原因となるからです。

男性の場合も同様で、薄毛の解決策を考えた髪型にすることを意識する必要があります。特に男性は部分的に薄毛が目立つケースが多いため、髪を伸ばして隠そうとする傾向にあります。しかし、それによって毛根の負担が増し、薄毛が進行してしまうケースが多くみられます。薄毛を隠すと同時に毛根を守っていこうとするのであれば、やはり短髪にすることが適切です。
男性はヘアサイクルが女性より短いため、毛根のダメージが薄毛に現れやすく、少しでも毛根の負担を減らす努力が必要だからです。

また、男性の薄毛はAGAとも切り離せません。早めにクリニックなどに相談すると同時に、適切な髪型を選び自分でも薄毛を防ごうとする姿勢が求められます。ソフトモヒカンやベリーショート、坊主など、選択肢はいくつかあります。自分に似合い、薄毛の原因に合わせた適切な髪形にすることが大切です。