抜け毛が多い季節は夏だけじゃない!季節ごとの原因・対策について

抜け毛が多い季節は夏だけじゃない!季節ごとの原因・対策について

季節と抜け毛の関係

季節の変わり目などに、「急に抜け毛が増えた」と感じるという人も少なくありません。季節と抜け毛との間には強い関係があるといわれていますが、全ての抜け毛が季節に関係しているというわけではないことに注意が必要です。
男性はもちろん、女性でも加齢などの影響で徐々に毛が薄くなってきます。たまたまその季節に薄毛が始まったというケースも多いため、症状と原因をしっかりと把握しておくことで有効な対策を打つことができます。
また、ある程度の年齢になってくると、季節の抜け毛からそのまま薄毛が進行してしまう恐れもあります。若い世代であれば、一時的な環境の変化やダメージによって抜け毛が増えても、やがて回復することがほとんどです。しかし、年齢を重ねてくると毛母細胞の回復力も弱まってくるため、そのまま薄毛が進行していく確率が高くなります。
そのため、まずは季節による抜け毛の特徴について知識を整理しておくことが大切です。抜け毛が季節によるものであった場合は、きちんと対策をすることで抜け毛の進行を防ぐことが可能です。

抜け毛が増えたと感じる場合は、ごっそりと毛が抜けたという事例は少なく、実際には新しい髪に生え変わるサイクルに異常が起きているというケースが目立ちます。これは「ヘアサイクル(毛周期)」とよばれる毛の生え変わる周期のことで、男性の場合は2年から5年、女性の場合は5年から6年程度が一般的です。
最初にうぶ毛のような細い毛が生えて、太く長い毛に成長していきます。「成長期」といわれる期間では、一日あたり約0.3ミリの速度で伸びていくことになります。やがて毛根が退化する「退行期」を迎え、その数週間後には「休止期」に入って髪が抜けます。

正常なヘアサイクルであれば、2~3ヶ月後に同じ毛穴から再び成長を開始しますが、薄毛の場合は「休止期」で終わってしまい再び「成長期」が訪れない状態です。本人は「抜け毛が増えた」ように感じていても、実際は「再び毛が生えてこない」状態であるというケースも少なくありません。
そのため、特定の季節に抜け毛が増えたと感じた場合は、新しい毛が生えているのかどうかもチェックすることも大切です。新しい毛が生えているのであれば問題ありませんが、新しい毛が少なかったり元気がなかったりした場合は危険信号です。

 

暑い季節の抜け毛

暑い夏には、抜け毛を発生させるさまざまな条件が揃っています。いうまでもなく、照りつける日差しによる紫外線です。紫外線は頭皮や毛根そのものまで老化させる強い力を持っています。紫外線によってダメージを受ける現象は「光老化」とも呼ばれており、抜け毛の進行や薄毛を引き起こすリスクが非常に高くなるため注意が必要です。
頭皮や毛根が老化する主な原因は、「活性酸素」です。紫外線は強力なため、十分なUVケアを行っていなければ頭皮や毛根まで達し、老化物質である活性酸素を発生させてしまいます。
なお、紫外線を防ぐためには紫外線の特徴についても整理しておくことが大切です。

紫外線は波長によって「UV-A」と「UV-B」という2種類に分けることができます。UV-Aは肌の奥まで達する波長であるため、頭皮や毛根を傷つける原因となります。抜け毛や薄毛を進行させる強力な作用を持っているため、帽子を着用するなどの十分な対策が必要です。
UV-Bはエネルギーが強いものの、影響力は髪や頭皮の表面に留まります。毛根そのものには達しないのですが、念のため強い日差しを感じる場所に長時間いるのは避けることが無難です。

梅雨から夏にかけては気温が高いだけでなく湿度も非常に高くなるため、頭皮が不潔になりやすいことにも注意が必要です。汗や皮脂などの分泌が盛んになるため、常に頭皮を清潔に保っておくことが大切です。
十分な頻度のシャンプーなど、日常生活を通して抜け毛を予防するという意識が求められます。頭皮が不潔な状態になると、さまざまな雑菌が繁殖して毛根にダメージを与えてしまうからです。頭皮に限らず、人間の皮膚にはもともと「常在菌」と呼ばれるさまざまな菌が存在しています。湿度が高い季節に頭皮が不潔な状態になるとこれらの菌のバランスが崩れ、毛根にダメージを与える菌が一気に増殖する危険があります。

ニキビの原因として知られる「アクネ菌」もそのひとつで、頭皮のかゆみや炎症も引き起こしてしまいます。
また、「皮膚ダニ」にも注意が必要です。「デモデクスフォリキュロラム」「デモデクスブレビス」という2種類の皮膚ダニが代表的ですが、本来は皮脂をエサとしているために毛穴などをきれいな状態に保ってくれています。ところが、高温多湿の環境で頭皮が不潔になると異常繁殖して毛根にダメージを与え、結果として抜け毛の進行に加担してしまいます。皮膚ダニが毛根部の栄養を吸い取ってしまうからです。特に抜け毛と同時に薄毛が進行している人の場合は十分に注意しなくてはいけません。
ヘアサイクルの休止期から成長期へと向かう毛根は、十分な栄養を与えられずにそのまま終わってしまう恐れがあるからです。

 

秋の抜け毛とは

意外なようですが、「抜け毛が増えたと感じる」という声は、夏よりも秋の方が多く聞かれます。その理由は二つあります。
一つ目は、「夏に受けた頭皮へのダメージが一気に顕在化する」からです。強い紫外線を浴びたり、頭皮が蒸れるような状態になっても、いきなりたくさんの毛が抜けるということはまれです。蓄積されたダメージは、夏から秋にかけての季節の変わり目に一気に襲ってくるケースが多くあります。特にこの時期にヘアサイクルの退行期や休止期を迎えると、次の成長期に向けた毛根の動きが止まってしまう可能性が高くなります。
夏に受けたダメージを少しでもリカバーするためには、気温が低下したあとも頭皮を清潔に保つよう、こまめなシャンプーなどをおこないましょう。

もうひとつが、「急な気温低下による自立神経の乱れ」です。これは夏に蓄積された疲労も大きく影響しています。いわゆる「夏バテ」は、夏の間の体力低下に留まらず、秋口に一気に疲れとして人の身体を襲ってきます。そこに気温の変化などによるストレスが加わると、すぐに自立神経の乱れにつながってしまいます。

自立神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、それぞれが血管の動きに強くかかわっており、毛根の働きにも大きな影響力を持っているのです。交感神経と副交感神経は相互作用があり、「シーソー型」としてどちらかの一方が優位になるという関係を持っています。一般的に、昼間は交感神経が優位になり、夜間や睡眠中は副交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると血管が収縮するため、結果として血液量は減ります。逆に、副交感神経が優位の場合には血管が拡張されて血液の流れも良くなるということです。つまり、毛根の毛乳頭に十分な栄養を送るためには、副交感神経が優位な状態が必要ということになるのです。


自立神経が乱れると、常に交感神経優位の状態が続いてしまい、毛根の成長に必要な血液が不足してしまいます。結果として、抜け毛が増えて薄毛が進行してしまうのです。
また、交感神経が優位の場合は、血液とは逆に汗腺のはたらきが活発になるという現象がみられます。そうなると、皮脂腺の分泌ばかりが促進され、ヘアサイクルを回すには非常に厳しい状態となってしまいます。

自立神経の乱れを防ぐには、まず十分な睡眠が大前提となります。特に夏の間に生活が乱れてしまった人は注意が必要です。涼しくなって体が元気になったような気分になりますが、実は交感神経優位の状態が続き、心拍数が上がっているだけというケースが多くみられます。生活習慣を整え、睡眠時間をたっぷりと確保することが抜け毛の防止につながるのです。

 

季節と女性の抜け毛の関係は

秋から冬にかけての季節の変わり目も、抜け毛が気になる季節です。季節の変わり目では、男性と女性の違いについても注意が必要です。
夏から秋にかけても同じことがいえますが、特に女性の場合は「ホルモンバランスの変化」によって抜け毛が激しくなることがあります。「女性ホルモン」の分泌量の変化は、髪の毛の成長とも強い関係を持っています。女性ホルモンの分泌量が低下すると、髪の毛にもさまざまな変化が現れてきます。
女性ホルモンには「エストロゲン」という卵胞ホルモンと「プロゲステロン」という黄体ホルモンとがありますが、特に髪の毛に対して強い影響力を持っているのはエストロゲンです。エストロゲンは「美のホルモン」ともいわれており、髪のツヤや成長に大きく作用するため、分泌が乱れると抜け毛などのトラブルに直結します。

もっともよく見られるのは、髪の毛が細くなる現象です。髪のコシがなくなり、それに伴って抜け毛が気になるようになってくるのです。また、抜け毛が増えて正常なヘアサイクルが回らなくなってしまい、分け目などが以前より気になるようになることも特徴です。
抜け毛そのものが気になる場合もありますが、髪の毛の生え際や頭頂部などの地肌が以前よりも目立つようになり、そこではじめて抜け毛を意識するという人もいます。男性の場合と違って、抜け毛により頭髪全体が薄くなっていくという傾向がみられます。

女性ホルモンの分泌を正常に保つためには、生活習慣そのものを見直すことが必要です。十分な睡眠時間の確保はもちろんのこと、生活リズムそのものを整えるためには起床時間を一定にすることも大切です。また、無理なダイエットは避けて十分な栄養を摂取することも欠かせません。
そして、大敵なのがストレスです。単に気持ちだけの問題ではなく、ホルモンの分泌を指令する脳の視床下部は、ストレスなどを感知して感情のコントロールを行う扁桃体と非常に密接な関係を持っているからです。

 

季節と男性の抜け毛の関係は

男性の場合、高温多湿の春や夏に顕著ですが、単に頭皮の状態が不潔であることが原因で抜け毛が激しくなることがあります。女性に比べて、男性の皮脂の分泌量はかなり多く、こめまにシャワーを浴びるなど、入念なケアが求められます。
また、シャンプーもできる限り刺激の少ない成分のものを使用するなどの注意が必要です。もちろん、季節の抜け毛は一時的なものである場合が多く、やがて新しい髪の毛に生え変わります。しかし、季節の変わり目で新しい髪の毛がなかなか成長してこない場合は注意しなくてはいけません。
ヘアサイクルがきちんと回っていないときは「AGA」、つまり「男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)」を疑ってみる必要があります。

AGAは男性ホルモンの変異が大きく影響しているとみられており、遺伝的要素が強く関係しています。そのため、単に加齢による現象ではないことに注意が必要です。
AGAによる抜け毛や薄毛は、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに変異することが原因と考えられており、治療しない限りは薄毛が進行してしまいます。

初期の症状としては、ヘアサイクルの成長期が短くなり、育成期がほとんどないまま退行期に入ってしまい、結果として髪の毛がきちんと育たなくなります。太くコシのある毛ではなく、産毛状の毛が目立ってくることが特徴です。最近ではAGA治療専門のクリニックが増えてきており、受容体の遺伝子を精密に調べることも可能です。

 

1年間を通したケアが大切

このように、季節によって髪の毛や頭皮が受ける影響もさまざまです。夏から秋にかけての抜け毛が顕著なように、季節ごとのケアを怠ると次の季節にもダメージを引きずるということには注意が必要です。しかし、頭皮や毛根を清潔に保つことに加えて、自律神経などを含めた体全体の働きに気を配ることで夏や秋の抜け毛を防止することは十分に可能です。
一時的に抜け毛が激しくなってしまったとしても、あきらめる必要はありません。毛根が元気になればヘアサイクルを戻すことができ、再び髪の毛が増えることを期待できます。

女性ホルモンを正常に保つために十分な睡眠を取り生活リズムを整えることも、抜け毛防止には欠かせない要素です。生活リズムの重要性は男性にとっても同様ですが、万が一AGAの可能性がある場合は、専門の治療院で早めに診てもらうことをおすすめします。

また、食事にも気を配る必要があります。特に亜鉛やタンパク質、ビタミンなどは髪の毛の成長に欠かせない栄養です。バランスの良い食事を取るように心掛けることが必要です。季節の変化による抜け毛や薄毛を防止するためには、普段の生活を見直して1年間を通したケアを行うことが大切です。