頭皮のかゆみの原因は?正しいシャンプーの仕方で対策を

頭皮のかゆみの原因は?正しいシャンプーの仕方で対策を

フケと頭皮のかゆみ、あなたは経験ありますか?

毎日きちんと髪を洗っていますか?頭皮の状態を健康に保つためには、毎日のシャンプーが大切です。しかし、中には毎日シャンプーをしているのにもかかわらず、フケやかゆみが生じるという人もいます。年齢・性別不問で、「フケや頭皮のかゆみを経験したことはありますか?」というアンケートを行った結果、次のような回答が得られました。

はい:151名
いいえ:22名

この結果からは、ほとんどの人が何らかの形で頭皮のフケやかゆみを感じたことがあるということがわかります。また、「はい」と回答した人からは以下のようなコメントが寄せられていました。

・しっかりすすいでいるはずが、乾燥するとすぐにフケが出る。
 乾燥する季節にはかゆみや湿疹が出ることもある。
・ストレスが溜まってくるとフケが増える気がする。
・シャンプーが合わず、かゆみとフケが出るようになった。
・乾燥肌で頭皮も乾燥しやすく、頭皮に湿疹ができた。頭のかき過ぎでかさぶたができてしまった。

回答者たちは、フケやかゆみの原因として、乾燥、シャンプーが合わない、ストレスの3つを挙げています。また、コメントにはかさぶたや湿疹という言葉も散見されました。これらが頭のかゆみの仕組みを読み解くキーワードとなりそうです。

 

頭皮のかゆみの原因?フケの正体

フケとは、新陳代謝によって剥がれた古い頭皮です。頭皮もほかの皮膚と同じように新陳代謝を繰り返しており、古い角質は剥がれ落ち、新しい皮膚と入れ替わっていきます。つまり、フケが出ること自体は正常なことなのです。しかし、シャンプーをしてもフケが目立つような状態になったら注意しましょう。病的な状態のフケは「乾性フケ」「脂性フケ」の2種類に分類できます。

乾性フケは、主にシャンプーの後に髪と頭皮をしっかり乾かさないことが原因で生じるフケです。髪を乾かさないと頭皮から水分が蒸発し、乾燥しやすくなり、フケが生じるのです。乾性フケは通常のフケよりも乾燥しており、粉っぽい状態です。頭をかくとポロポロ落ちるような場合は乾性フケでしょう。また、頭皮にウロコ状のかさぶたができている場合も乾性フケが出ている状態です。

脂性フケは、効果が強すぎるシャンプーなどによって皮脂が過剰に取り除かれてしまうことが原因で生じるフケです。必要な皮脂まで取り除かれてしまうと、皮脂が過剰に分泌されるようになり、脂性フケが生じます。脂性フケは通常のフケよりも大きく、臭いがきついのが特徴です。また、ベタついているため頭をかいても落ちてきません。頭皮の状態は皮脂でベタつき、赤く腫れて炎症を起こしている場合もあります。

 

フケと頭皮のかゆみは関係あるの?

フケと頭皮のかゆみとは深く関係しています。
頭皮のかゆみの原因のひとつは、乾燥することです。頭皮に限らず、皮膚が乾燥しているときにかゆくなるという経験がある人は多いでしょう。また、皮膚が炎症を起こしているときも同じようにかゆみを生じます。

乾性フケが出ている状態では、皮膚は乾燥しています。そのため、乾性フケの発生と頭皮の乾燥によるかゆみはセットになっているといえるでしょう。乾燥が原因で起こっているのですから、その対策は当然、頭皮の保湿ということになります。

脂性フケが出ている状態とかゆみの関係はもう少し複雑です。脂性フケは、頭皮の皮脂が過剰に取り除かれてしまうことで、かえって皮脂の分泌が過剰になってしまうことが原因で生じます。しかし、皮脂がかゆみの直接の原因となっているわけではありません。皮脂が過剰な状態になると、頭皮に存在する細菌が異常繁殖し、それによって炎症が引き起こされてかゆみが生じるのです。このように、脂性フケによるかゆみは炎症が原因なので、保湿しても改善されません。対策としては、薬による殺菌や炎症の抑制が有効です。
フケと頭皮のかゆみは関係しているだけでなく、フケの種類からかゆみの原因を特定することができます。かゆみに悩まされている人は、まず自分のフケの状態を確認してみるといいでしょう。

 

頭皮のかゆみやフケと薄毛は関係あるの?

フケと頭皮のかゆみとは深く関係しています。それでは、薄毛との関係はどうなのでしょうか?
年齢・性別分で行った「フケが髪の毛にどのような悪影響を与えると思いますか?」というアンケートの結果、169サンプルの回答が得られました。回答の一部を以下に挙げてみます。

・汚れが毛穴を塞ぐことで髪の毛の成長を阻害し、抜け毛が増えるのではないか。
・頭皮が乾燥するとフケが出るので、フケは頭皮の状態を確認するバロメーターとして利用できる。
・毛根が汚くなると栄養が十分に行き渡らないような気がする。
・フケが出るような状態の頭皮に問題がある。
・髪の毛や地肌の乾燥が薄毛につながるのではないか

フケや汚れが毛穴を塞ぐことで髪の成長が阻害されるというイメージがあることがわかります。また、頭皮の乾燥や皮脂の過剰な分泌が薄毛を助長しているのではないかという意見もありました。フケが出やすい悪化した頭皮の環境が薄毛を促進するのではないかという意見も注目に値します。これらのアンケートの結果からは、多くの人がフケが出るような頭皮の状態は薄毛と関係していると考えているということがわかります。

 

フケやかゆみが出れば薄毛も進む

結論から言うと、フケやかゆみと薄毛は直接関係があるわけではありません。しかし、フケが出るような状況の頭皮を長期間放置してしまうと薄毛になってしまいやすいというのは事実です。
乾性フケが出る状態では、頭皮は水分を失い乾燥しています。脂性フケが出る状態では、頭皮は過剰な皮脂が分泌されておりベタついています。状況は違いますが、どちらも髪の毛の成長にとって悪いことには変わりありません。当然、そうした状態が続くと正常な髪の毛の育成ができず、薄毛が進行するのです。

また、ホルモンバランスの崩れや栄養の偏り、頭皮に細菌が繁殖して炎症が起こっている場合でもフケが出ることがあります。そして、これらの要因は薄毛の原因とも重なっているのです。
このように、フケが出る=薄毛になるというわけではありませんが、そのような状況を放置していると薄毛が引き起こされるということは十分にいえるのです。

 

フケや頭皮のかゆみの対策は?

フケや頭皮のかゆみの対策としては、どのような方法が用いられているのでしょうか。
年齢・性別不問の「フケ対策を行っていますか?」というアンケートの結果は、以下のようになっています。

はい:111名
いいえ:57名

「はい」と回答した人が同時に回答した対策の内容には、以下のようなものがありました。

・シャンプーするときは頭を揉み洗いする。また、終わった後はしっかりと洗い流す。
・シャワーの温度を高くしないように気をつけてる。
・乾燥が気になるときは日を空けてシャンプーをする

このように、多くの人は対策としてシャンプーを行っていることがわかりました。注目すべきなのは、ただ単にシャンプーをしているのではなく、シャンプーの種類や洗い方、温度に気をつけている人が多い点です。つまり、ただ単にシャンプーをしているというだけではフケやかゆみ対策としては不十分なのです。

 

フケやかゆみ対策には、正しいシャンプーのやり方を!

頭皮のフケやかゆみの対策として、代表的なものがシャンプーです。しかし、そのやり方が正しくないと十分な効果が得られないどころか、かえって頭皮や髪の毛にダメージを与え、薄毛や抜け毛を誘発してしまうこともあります。

まず注意すべき点は、自分に合ったシャンプーを使っているかどうかです。シャンプーには頭皮や髪の毛についた汚れや皮脂を取り除く効果がありますが、その効果があまりに強すぎると、皮膚に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。必要な皮脂が洗い流されると皮脂の分泌が過剰になるので、頭皮が皮脂でベタベタになってしまうのです。また、シャンプーの刺激が強すぎると頭皮が炎症を起こしてしまうこともあります。シャンプーは大きく分けてアルコール系、アミノ酸系、せっけん系の3種類がありますが、フケ対策としてはアミノ酸系のシャンプーが適しているでしょう。また、シリコンとノンシリコンではノンシリコンタイプのほうがおすすめです。かゆみがひどいときには、かゆみ対策用の薬用シャンプーが適しています。
シャンプーのやり方も重要です。

かゆみがあるとついつい爪を立て、頭皮をかくようにして洗ってしまいがちですが、これはよくありません。頭皮を傷つけるような洗い方だと、ますます皮膚が剥がれてフケの量が増えてしまいます。正しくは指の腹を使い、優しくマッサージするようにして洗いましょう。

洗い終わった後は、丁寧にシャンプーを洗い流します。洗い残しがあると、それが毛穴に詰まってしまうからです。すすぎに使うお湯の温度にも気をつけましょう。あまり熱いお湯だと皮脂が洗い流されてしまうので、すすぎには必ずぬるま湯を使うようにしましょう。洗い流した後は、自然乾燥ではなくきちんとドライヤーを使って乾かしましょう。自然乾燥だと、水分が蒸発する際に頭皮の水分も失われてしまうので頭皮が乾燥してしまうのです。すすぎのときと同じく、ドライヤーの風も温度が高すぎるとよくありません。温度を高過ぎないようにするほか、ドライヤーを頭に近づけ過ぎないようにすることも大切です。

シャンプーが終わったら、頭皮の状態をチェックします。湿疹やかさぶたができていないかをシャンプーの際に毎回チェックするようにしておけば、異常を早期発見できます。頭皮のベタつきやかゆみがひどいときは湿疹が疑われます。状態があまりにひどい場合には、早急に皮膚科を受診しましょう。

 

頭皮のかゆみは同じでも、男女で抜け毛の仕組みは違う?

抜け毛や頭皮のかゆみといった悩みは、一昔前なら男性特有の悩みであるという認識の方も多かったのではないでしょうか。しかし、女性が社会進出を遂げるにつれて、男性と同じような髪の悩みを訴えるようになってきました。ですが、ここで注意してほしいのは、同じ髪の悩みであってもその仕組みは男女でまったく異なるという点です。


男性の場合、薄毛や抜け毛の原因となるのは主に男性ホルモンの影響となっています。テストステロンという男性ホルモンが体内で5αリダクターゼという酵素と結びつくことで、ジヒドロテストステロン(DHT)という物質が生成され、これが男性の薄毛の主な原因となるのです。
女性の薄毛の原因は、主に生活習慣となっています。不規則な食生活、過剰なヘアケア、カラーリングやパーマなどのファッションによる髪へのダメージなどが女性の薄毛の原因となっています。また、薄毛が生じる部位やその進行の過程も男女で異なっているので、ここにも注意が必要です。

男性の場合は、薄毛が生じるのは生え際や頭頂部となっています。その抜け方は、一本一本の髪の毛が抜けていくというものです。また、男性の薄毛は高確率で子や孫へと遺伝していくのも大きな特徴です。

女性の場合は、特定の部位から薄毛が生じるのではなく、頭頂部を中心に全体のボリュームが少なくなっていくという形で進行していきます。髪の毛一本一本が抜けるのではなく、髪の毛が徐々に細く弱っていくのが男性との違いです。また、女性の薄毛は、若い年代の人よりも中高年の方が改善しやすいという特徴があります。

 

男女の頭皮のかゆみ・薄毛対策の違い

頭皮のかゆみや薄毛の仕組みが男女で違えば、当然その対策も違ってきます。
男性の場合、原因となるのが男性ホルモンなので、その抑制が有効な対策となります。手段としては、育毛剤やAGA治療薬の使用、育毛効果のある栄養素を多く含んだ食事を摂るようにするなどが挙げられます。もちろん、生活習慣やストレスも無関係ではありませんので、規則正しい生活や十分な睡眠を心がけるのも重要です。

女性の場合、まず頭皮を清潔にすることを心がけましょう。頭皮には男女ともに皮脂腺があり、そこから皮脂が分泌されています。女性の皮脂の分泌量は男性よりも少ないのですが、だからといって油断していると、いつの間にか皮脂が過剰に分泌されていて毛穴が詰まり、髪が成長しにくい状態になっていることがあります。そうならないように、頭皮は常に清潔にしておくようにしましょう。

また、ストレスの原因を取り除くのも重要です。規則正しい生活リズム、栄養のバランスの取れた食事を心がけ、日常生活におけるストレスを少しでも軽減しましょう。また、ウォーキングなどの軽い運動を定期的に行うのも効果的です。もちろん、こうした対策は一朝一夕で効果が出るようなものではありません。諦めることなく、気長に続けるのが大切です。