頭皮の乾燥はなぜ起きる?2つの種類とそれぞれの原因
フケはどうして出てくるの?
そもそも、フケはなぜ出てくるのでしょうか?
フケの正体は、簡単に言うと剥がれた頭皮です。頭皮だけでなく、人間の皮膚は古い角質は定期的に剥がれ、その下から新しい皮膚が出てくる仕組みになっています。従って、フケが出ること自体は自然なことです。頭皮が健康な状態であれば、出てくるフケの量や状態にも異常はありません。シャンプーをして清潔にしていれば十分に洗い流すことができ、通常は髪に付着したりポロポロこぼれ落ちることもありません。もちろん、きちんと髪を洗っていないとフケが洗い流せず、髪が不潔な状態になってしまいます。
問題は、普段からきちんとシャンプーをしているのにフケが目立つという場合です。そうした症状が出た場合には、まず頭皮に何らかの異常が起こっていることを疑う必要があります。頭皮にそうしたトラブルを引き起こす要因としては、以下のようなものが考えられます。
・シャンプーをした後にしっかり水分を拭き取っていない、乾かしていない
・使っているシャンプーの薬効成分が強すぎて、皮脂が洗い流されてしまっている
フケについて知ろう2つの種類とそれぞれの原因
フケは「乾性フケ」と「脂性フケ」の2種類に分かれます。種類が違えば原因も違い、当然対策も異なりますので、まずは自分のフケがどちらなのかを把握しましょう。
乾性フケは、頭皮が乾燥してカサカサになっている人に見られるフケです。乾燥肌の人は乾性フケの可能性が高いでしょう。また、頭皮にはウロコ状の湿疹ができている場合があります。フケは小さく、粉状であるのが特徴です。
その原因は、主に加齢と空気の乾燥です。そのほか、洗浄力が強すぎるシャンプーによっても頭皮の乾燥が引き起こされます。
脂性フケは、逆に頭皮が皮脂によってべたついている人に見られるフケです。頭皮に黄色い皮脂の塊がついていたり、赤み、かゆみが強い人は脂性フケの可能性が高いでしょう。フケは大きいサイズで、髪や頭皮に付着していてなかなか落ちません。
その原因は、皮脂の過剰な分泌が原因です。皮脂の分泌が多すぎると皮膚に細菌が繁殖し、それによって炎症が引き起こされます。その炎症を治そうとして体内の代謝が高まると頭皮が剥がれ落ち、これがフケになるのです。
フケと薄毛の関係あなたはどう思う?
いかにも関係がありそうなフケと薄毛。人々の間では、この2つの関係性についてはどのようなイメージが有るのでしょうか?年齢・性別不問で行った、「フケが髪の毛にどのような悪影響を与えると思いますか?」というアンケートの結果は以下のようになっています。
・汚れが毛穴を塞ぐことによって、抜け毛を促すイメージが有る
・フケで毛穴が圧迫されて新しい毛が生えてこないのではないか
・フケが出るときは頭皮が乾燥しているときなので、髪の毛や地肌の乾燥がよくないのではないか
・フケ自体ではなく、フケが出るような頭皮の環境になっていることが抜け毛の原因なのではないか
アンケートで出た意見を見てみると、フケや汚れが毛穴に詰まることで新しい毛の成長が阻害され、逆に抜け毛が促進されると考えている人が多いことがわかります。また、頭皮の健康状態の悪化が抜け毛につながるという意見も散見されました。アンケートの結果からは、多くの人がフケと抜け毛を関連付けて考えているといえるでしょう。
フケと薄毛には関係がある?
フケが多いことと薄毛になりやすいこととの間には、直接の因果関係はありません。しかし、フケの種類によらず、フケが出ている状態というのは、正常な頭皮が失われている状態ということです。乾性フケが出ている状態では頭皮は潤いを失って乾燥しており、脂性フケが出ている状態では過剰に皮脂が分泌されています。どちらも正常な状態ではありません。
ですので、フケが出ている状態を放置していれば、当然頭皮の状態は悪化し、薄毛の症状が出るようになります。
フケの原因にはホルモンバランスの崩れや栄養バランスの偏り、頭皮の環境の悪化などがありますが、こうした状態では得てして薄毛も生じやすいものです。フケの発生=薄毛というわけではありませんが、フケが出やすい状態になっていれば薄毛が進行しやすい状態になっているということは事実なのです。
しかし、これは逆にいえばフケの対策ができれば、同時に薄毛の対策もできるということでもあります。フケや薄毛に限らず、髪のトラブルを防ぐための重要な手段のひとつは頭皮の状態を正常に保つことであるといえるでしょう。
フケの対策、している?していない?
日頃からフケの対策はきちんとしていますか?フケは頭皮の乾燥や病気などの兆候を知るための重要なポイントです。しっかりチェックしておきましょう。
「フケの対策をしていますか?」という年齢・性別不問のアンケートを行った結果、以下のような回答が得られました。
・はい:113名
・いいえ:53名
「はい」の割合は約67%で、大体の人がなんらかの形でフケ対策を行っているということがわかりました。その対策は主に、シャンプー、乾燥防止スプレー、加湿器、オーガニックの白髪染めなどとなっています。一方、特に対策を行っていない人は、フケは出やすいものの洗髪をしていれば防げる、困るほどフケが出ているわけではない、どんな対策が有効かわからない、といったようなコメントがありました。
これらの回答からは、対策をしていない人は予防にあまり関心がない、対策をしたくても有効な手段がわからない人が多いということが読み取れます。また、その中には有効な手段が分かれば対策を講じたいという人もいました。今は大丈夫だったとしても、頭皮の環境が悪化するとフケが出てしまいます。普段からフケの対策を行うことが大切です。
正しいシャンプーとドライヤーのやり方を覚えよう
髪や頭皮のケアの中でも、もっとも重要なのがシャンプーとドライヤーです。いくらシャンプーをしても、保湿が十分でなかったりすると髪や頭皮にダメージを与えてしまうので気をつけましょう。シャンプーをする際には、髪の毛ではなく頭皮を洗うという意識が大切です。爪を立てたりせず、指の腹を使って優しく頭皮をマッサージするようにしましょう。
事前準備としては、シャンプー前のブラッシングやすすぎが有効です。シャンプーの前にできるだけ汚れを落としておきましょう。シャンプーを手にとったらよく泡立てます。洗う際には力を入れたり爪を立てたりしてはいけません。親指以外の4本の指を使い、後頭部からスタートしてこめかみ、頭頂部、額の生え際というように、下から上に向かって洗っていきます。
すすぎ方も下から上です。泡が残らないように丁寧に洗い流しましょう。十分に湿気をとってコンディショニングも済んだら、次はドライヤーです。
一点に集中して当てると髪が傷んでしまうので、まんべんなく温風を当てるようにしましょう。また、髪にドライヤーを近づけすぎないことも大切です。ドライヤーの温度が高いと髪へのダメージが大きくなるので、温度はできるだけ低くしておきましょう。
季節の変わり目には抜け毛も増える?
季節によって抜け毛の頻度が変わると感じる人は多いのではないでしょうか?年齢・性別不問で行った「抜け毛が増えやすい季節はいつですか?」というアンケートの結果は以下のようになりました。
春:38名
夏:56名
秋:63名
冬:52名
もっとも多いのは秋ですが、全体で見るとそれほど大きな偏りはありません。秋と回答した人からは、夏に紫外線でダメージがあるせいだと思う、夏での疲労が秋になって表に出てくるのではないかといった声がありました。いずれも夏の影響に言及があるのが特徴的です。
夏を選んだ人からは、暑さや紫外線などのストレスから抜け毛が増えると思う、汗をかくのでシャンプーの際につい力を入れてしまうという意見がありました。暑さによるストレスの増加、シャンプーの回数の増加を挙げる声が多いです。
冬を選んだ人からは、頭皮が乾燥するのでフケや抜け毛が増える、帽子をかぶるので頭皮や髪が蒸れて不衛生になるという意見が目立ちます。いずれも冬が空気が乾燥するという点が共通して挙げられています。このように、季節によらず季節の変わり目には抜け毛が増えやすいといえるでしょう。
どうして季節の変わり目に抜け毛が増えるの?
季節の変わり目に抜け毛が出やすいのは、前の季節で受けた髪へのダメージが、時間が経過してから表に出てくるからです。
髪には毛周期と呼ばれるサイクルがあります。毛周期は「成長期」「退行期」「休止期」の3パートで構成されており、これが繰り返されることで髪は生え変わる仕組みです。正常な状態なら毛周期はほぼ一定のサイクルですが、何らかの形で人体にストレスがかかると、この毛周期が短縮されてしまいます。そして、正常な毛周期で毛が抜けるタイミングと毛周期が短縮されて毛が抜けるタイミングが重なって抜け毛が増えるのが、ちょうど季節の変わり目に当たるのです。
特に、秋に抜け毛が増えるのは夏に受けたダメージの影響がちょうど出てくるタイミングだからだといえるでしょう。夏は暑さや紫外線によるダメージの他にも、冷たい食べ物・飲み物を多く摂ることによる悪影響もあります。また、熱帯夜による睡眠不足、食欲減退による栄養不足なども関係します。
同じように、冬の間に受けたダメージは春先になってから出てきます。冬の間は空気の乾燥はもちろんのこと、血行不良もダメージ要因として挙げられます。気温が低いと、頭皮の血管が収縮し血流が阻害されます。そうなると頭皮に十分な栄養が運ばれなくなるため、頭皮環境が悪化していくのです。
季節の変わり目に抜け毛が増えるのはどんな人?
季節の変わり目の抜け毛の原因は、その前の季節の過ごし方にあるといえるでしょう。では、季節の変わり目に抜け毛が増えやすい人は、各季節でどんな過ごし方をしているのでしょうか。
まず、夏の過ごし方ですが、紫外線や夏バテの対策を十分にしていない人は秋になってから抜け毛が増えるでしょう。
同じように、春先に抜け毛が増える人は、冬の間に十分な保湿をしておらず髪が乾燥しがちであったり、暖房や厚着で蒸れて頭皮環境が悪化したりしているといえるでしょう。それぞれの季節の特徴に合わせた対策をしっかりとっておくことが、次の季節の抜け毛の増加を防ぐためにとても大切なのです。
逆に、過剰な対策が原因となって抜け毛が増えるというパターンもあります。夏から秋にかけては、汗をかきやすくなるためにシャンプーの回数が増えがちです。確かに髪や頭皮を清潔にするためにはシャンプーは大切です。しかし、あまりやりすぎると必要な皮脂まで洗い流してしまうので、かえってよくありません。
また、冬から春にかけては空気が乾燥しているため、髪を乾かす際にドライヤーを使わずに自然乾燥に任せる人もいるでしょう。しかし、この方法では髪の毛だけでなく頭皮の水分まで乾燥してしまいます。髪を乾かす際にはきちんとドライヤーを使いましょう。
季節の変わり目の抜け毛を予防しよう!
季節の変わり目の抜け毛を予防するためには、季節ごとの対策をしっかり取ることが大切です。
まず、特に髪や頭皮へのダメージが大きくなる夏場の対策から説明していきます。なんといっても、夏場は紫外線対策が重要です。それ以外には睡眠不足も悪影響の原因となります。ストレスが大きくなると頭皮環境も悪化するため、快適な睡眠環境を用意しましょう。
また、ビタミン不足の対策も大切です。夏場では、屋外の暑さと屋内の冷房との温度差によってストレスが生じます。それによって壊されてしまうビタミンの量が普段よりも増えるのです。特に新しい髪を作るための材料となるタンパク質、それを合成するために必要な栄養素である亜鉛やビタミンCなどの不足は致命的なので、普段より多めに摂るようにしましょう。
そのほか、シャンプーの回数が増え過ぎないようにすることも重要です。どうしても多い回数になりそうなときは、シャンプーを用いずにお湯だけで髪を洗うのも有効でしょう。
冬場に注意するべきは、乾燥と血行不良です。乾燥については、加湿器などを使って室内が乾燥しないようにするのが有効です。血行不良に対しては体が冷えないように体を暖める効果のあるカプサイシンなどの成分を含んだ食べ物を摂るのが有効でしょう。また、冬場には頭皮の老化も進行しやすいので、それに対する対策も必要です。
これらの対策は予防策であり、髪へのダメージの影響は時間が経過してから現れます。そのため、抜け毛の症状が出始めてからでは間に合いません。予防策を万全に活かすためには、前もって各々の季節ごとの特徴と対策をしっかり把握しておくことが大切です。